とある伝説LVII

ο「犯人が判りましたよ」
ι「すみません私です」
ο「知ってます」
ι「そうですか」
ο「私の推理では、犯人はユバが好きだ」
ι「そうでもありません」
ο「私は好きですよ」
ι「私にはアリバイがありません」
ο「誰にもありません」
θ「私にはありますよ」
ο「あなたには訊いていません」
θ「すみません」
ι「もともとは、加奈子が悪かったんです」
ο「誰ですか、加奈子というのは」
ι「殺された私の妻です」
θ「私の姉です」
ο「あなたには訊いていません」
θ「双子の姉です」
ι「そんなはずはない」
ο「どうかしましたか」
ι「加奈子の奴、年齢を詐称していたのか」
ο「具体的にお願いします」
ι「やめましょうよ、刑事さん、こんな話」
ο「私は刑事ではありません」
θ「私が刑事です」
ο「あなたには訊いていません」
θ「すみません」
ι「加奈子の奴、私のユバを勝手に食べたんですよ」
θ「私が贈ったユバです」
ο「なるほど、そういうことでしたか」
θ「私は聴くの二回目です」
ο「つまり、私の推理は間違っていたということですね。犯人は加奈子さんです」
θ「何故、そう言い切れるのですか」
ο「彼の証言を聴けば明らかです」
ι「確かに加奈子でした」
ο「ほら」
θ「しかし、彼が嘘を吐いている可能性も」
ο「あなたには訊いていません」
ι「刑事さん、私を信じてください」
ο「わかりました。事件は解決です」
θ「さすがです」
ι「ありがとうございます」
ο「いえ、これも仕事ですから」
θ「またユバが無くなるようなことがあれば、いつでもご相談ください」
ο「それと、」
ι「なんでしょう」
ο「私は、刑事ではありませんよ」
θ「私が刑事です」
ο「それでは、ごきげんよう