夢IV

学校か何かの修学旅行か何かの行き先が「桃源郷」で、しかも現地集合だった。そこは修学旅行か何かの定番らしくて、(ちょうど原爆ドームがそうであるように)知らない学校の生徒もたくさん来ていた。最寄り駅は京都駅みたいなでっかい駅。
僕は、実はここに来たことがあった。その時は桃源郷なんかじゃなくて、ここに住んでる女王様に囚われてしまって、その帰り道にネコの里へ行ったんだ。ネコの里には兄弟ネコが二人で住んでいた。あのほら、アニメ映画にでてくるような、二足歩行で喋るネコ。里っつってもまぁ、家具量販店みたいなとこの1フロアを勝手に拝借して住んでるだけなんだけどね。立派な駅ビルの五階の裏階段を二階分あがったところがネコの里で(ちなみに女王様はさらに二階分あがったところに住んでいる)、たいていは階段を上がったところで兄ネコが歌ってるから、「兄さん、いい声してるじゃん」って声をかける決まりになっていた。それで、懐かしくなって、また会いたくなったから、会いにゆくことにしたんだ。
しばらく道に迷ってしまって、巨大な駅のあちこちをさまよっていたのだけど、とうとう思い出して、五階の裏階段を登ろうとしたら、なんか立ち入り禁止みたいになってるんだ。でも、誰も見ていなかったから、上ってゆくことにした。
ネコの里の下の階は、悪魔がやってる雑貨屋みたいな店だった。手土産があったらいいかなと思ったけど、やっぱりやめた。
ネコの里につくと、前と同じに兄ネコが歌ってた。『兄さん、いい声してるじゃん』「声?別にそんなのどうだっていいよ」『でも、いい声だよ。その素っ気なさがいいのかもね』「ひさしぶりだな」これはこういう決まりなんだ。弟ネコも出てきて、やぁこんにちは、ひさしぶりだね。
ところが、下から警備員風の男たちがやって来た。昼間なのに懐中電灯を持ってた。「胸に緑色の黒バッジをつけた奴が来ませんでしたか」「知らないなぁ」ネコたちにアンケートみたいな紙が渡されて、兄ネコが「暖かいとつい眠ってしまう」に丸をつけているのが見えた。『僕は、書かなくていいんですか』「君はね。だって君は…」それから急にそいつが僕を捕まえようとしたから、僕は兄ネコから鉛筆をひったくってそいつの胸に突き立てた。たぶん、刺さったと思う。

…という夢を見た。寝起きに書いた文章なのでわりとデタラメかも。「女王様」は女王様ではなかったかもしれないけれど、僕はその女王様に囚われてネコの里の二つか三つ上の階に監禁されていたのです。あと、ネコの里に行くときは兄ネコに「いい声してるじゃん」と言うように僕に忠告してくれたのはネコの里の一つ上の階にいた誰かだったな。
でも、「ここに来たことがあった」のは、過去の夢のことのように思えたけれど、今日この夢を見るまで僕はそれを忘れていた。謎です。