とある伝説LX

我輩は猫であった。と思う。
「あった」というのは要するに今は猫では無いという事で、「と思う」というのは要するにそれが確に猫であったかを確める術が無いという事である。しかし、例えば鼬だったと仮定した所で、これから話す物語にはさしたる影響も無く、強いて言うならば鼬は猫程に柔軟であるかは定でないという程度の事であるから、勝手ながら猫だとして続けさせて貰う事にする。

(「我輩は猫であった」冒頭)