とある伝説LXI

ある日疲れて帰宅すると、母が壁に頭を埋めていた。こう、頭突きでもしたみたいに埋めていた。
「食べ物ない?」
「ない」
仕方なく妹の部屋を訪れると、妹が友人たちと壁に頭を埋めていた。
「あ、こんにちわ」
「こんにちわ」
「何か用?」
「べつに」
自室では、僕が壁に頭を埋めていた。
「おかえり」
「お疲れ様、代わるよ」
「ありがとう」
そうして僕は壁に頭を埋める。後ろでは僕が昼寝を始める。