Holiday

この一月ほどの思いつきを列挙してみたり。

Home

全国的に「学生というものは須く部活動に励むべきだ」みたいな風潮が加速し、特定の部活動に所属していない生徒、いわゆる帰宅部員に対する風当りが強くなる。圧力がかかると勝手に団結するのが人間というもので、「帰宅部」なる部活動が各所で結成され、「高校帰宅部連盟」いわゆる「高帰連」が組織される。

Tokyo

東京ドームが突然膨張し、「東京ドーム○○個分」という表現の正当性について議論がなされ、最終的に「東京ドーム原器」というものが作られるに到る。

Zero

ゼロ発明以前の話。
りんごが三つあって、三つとも僕が持っている。ゼロを知らない君。僕はりんごを一つ手にとって、食べる。もう一つ。あと一つ、というところで君は狼狽えだして、なんか目がバックストロークする。そわそわする。りんごを口へ運ぶ僕を止めようとしたり、いよいよ手からはたき落とそうとする。

Mazov

僕らは毎日マーゾフを探している。マーゾフを探すのが僕らの仕事で、僕らの仕事はマーゾフを探すことで、マーゾフは僕らに探されるためにある、これはささやかな過言だ。
マーゾフと言ってもマーゾフなら何でもいいわけじゃない。しっかり中身の詰まったマーゾフでなきゃ、持って帰っても金にならない。だからマーゾフを収穫する時には、中をよくよく覗き込むようにしている。無駄な殺生は避けるものだ。
ある日僕らが行った先は、地図にもなんだかぼんやりとしか描かれていない区画だった。もちろん僕らが行くのは初めてだ。中心部に近づくにつれてマーゾフの気配がしてきて、案の定そこはマーゾフでいっぱいの平原だったから、僕らはしめたと思ったのだけれど、よくよく覗いてみるとどれも空マーゾフだった。がっかりだ。

Ball

「彼ら」に知性と呼べるような思索能力が備わっていることが確かめられたのは、その発見に後れること四半世紀、二〇五五年のことだった。
彼らの活動のためのエネルギーは主に光合成によって賄われている。ただし、地球上の既知の植物が行っているようなものと異なり、人間の可視領域外の波長を持つ電磁波を用いている。逆に人間の可視領域内の電磁波は光合成に不要であるため、大部分が反射される。そのため、彼らは白色光の許では、さながら野球のボールのように白く見えるのだ。
想像力の不自由な方ならば、たとえば白いマリモのような物を仮定してもらえれば十分である。

Switch

心理学者と工業デザイナのコラボレーションによって、スイッチが開発された。そのスイッチは、見た目スイッチであることは明白なのに、なぜか「押したい」という欲求を喚起しないようにできていた。べつに形や色が何かに似ている、ということはなく、明らかにただのスイッチであるのにもかかわらずである。
子供の悪戯防止のためにと、あちこちで採用されたという。

Neko

友人が「ねこ」を連れてきた。うちに置いておくという。幸い足の踏み場面積に対してねこの大きさは無視できる程度だったので、とりあえず置いておく。
なるほど、さわると「にゃあ」と鳴く。目を離した隙にごそごそとうろつく。うろついて、そして「にゃあ」と鳴く。ところで、この四角いものは本当にねこなのだろうかと僕は思案する。思案するが、とにかくそいつは「にゃあ」と鳴く。

Sale

百貨店リーグ。百貨店がセールの内容で戦う。もちろん優勝したら優勝記念セールをやる。

Life

結晶ライフゲーム
単位構造にはα体とβ体の二種類があって、どちらとも結合して結晶化できるのだけれども、近傍のα体とβ体の比率に応じて転移する。
同期が取れないのでいまいちうまくいかないと思う。