勉強は嫌い

いい加減勉強にも飽きたので、息抜きにトリボナッチ数列の一般項を計算した(時間的に息抜きにはならなかった)。母関数がどうとか。以下めも。

Tribonacci数列は、以下によって定められる数列。
T_n=T_{n-1}+T_{n-2}+T_{n-3}
T_1=1,T_2=1,T_3=2

手順

各項の値を係数として持つような無限級数を作り(母関数という)、それが満たす条件から収束先を計算し、そうなるような係数を求める。

作業

まず、
T(x)=%5Csum^{%5Cinfty}_{k=0}{T_kx^k}
という関数をでっち上げると(T_0=0としておく)、条件から
T(x)-T_{0}x^0-T_{1}x^1-T_{2}x^2=x^3T(x)+x^2T(x)-T_{0}x^2+xT(x)-T_{0}x^1-T_{1}x^2
となる。というわけで、
T(x)=%5Cfrac{x}{1-x-x^2-x^3}
である。これを無限級数の和として表せれば各項の値が転がり出てくる。
さて、T(x)=%5Cfrac{A}{1-ax}+%5Cfrac{B}{1-bx}+%5Cfrac{C}{1-cx}として、通分とかしてやると、上記のT(x)との比較から、
A+B+C=0
A(b+c)+B(c+a)+C(a+b)=-1
bcA+caB+abC=0
a+b+c=1
ab+bc+ca=-1
abc=1
を得る。
後半3式と三次方程式の解と係数の関係から、a,b,cが三次方程式x^3-x^2-x-1=0の3解であることは容易に判るが、計算すると根号パラダイスなので、余白はあるが書けない。
仕方がないので、残るA,B,Ca,b,cで表すと、前半3式から
A=%5Cfrac{a}{(a-b)(a-c)}
B=%5Cfrac{b}{(b-a)(b-c)}
C=%5Cfrac{c}{(c-a)(c-b)}
となる。
ところで、%5Cfrac{A}{1-ax}=%5Csum^{%5Cinfty}_{k=0}{Aa^kx^k}であるから、結局
T(x)=%5Csum^{%5Cinfty}_{k=0}{(Aa^k+Bb^k+Cc^k)x^k}となり、
T_n=Aa^n+Bb^n+Cc^n
=%5Cfrac{a^{n+1}}{(a-b)(a-c)}+%5Cfrac{b^{n+1}}{(b-c)(b-a)}+%5Cfrac{c^{n+1}}{(c-a)(c-b)}
と求まる(ミスが無いか不安)。
wikipediaに載っているのと微妙には異なるけれど、どうやら同値。疲れた。

参考文献

母関数云々など、手順はここから。

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)